機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」新米ママのありのまま(20)

新米ママのありのまま(20)local_offer

フリーライター 岸元実春

子供と触れ合う週末、親子のコミュニケーションを大切に

新年度が始まる4月は、新生活の高揚感と少しの緊張、不安が混ざって少し心がざわつきます。桜並木の下を歩くと、宙に舞う薄桃色の花弁に癒やされ、優雅な舞に心が華やぐのを感じます。お花見がてら、先日娘を連れて近くの公園に遊びに行きました。週末ということもあり、親子連れが多く、遊具付近ではたくさんの子供達が遊んでいました。娘は公園で出会うお友達を求めるものの、あまりにも人が多いと怖じ気づくのか、初めの内は遊具付近に近づかず、私と一緒にシャボン玉をして遊んでいました。

しばらくして砂場に行くと、男の子が二人遊んでいました。その近くのベンチにはお母さんが二人、おしゃべりをしながら男の子達を見ていました。娘もそうですが、何か作ったり、できたことがあると「見てみて!」と親の関心を惹いて褒めてもらおうとする年齢なので、男の子達もお母さん達に話しかけながら遊んでいました。お母さん達もおしゃべりの途中でも、返事をして褒めてあげたり、子供から声がかからなくても、時折話しかけてコミュニケーションを取っていました。何か危険な事をしたり、お友達とのトラブルがない限り声をかけない親が多いので、お母さんの方から楽しそうに遊んでいる子供に話しかける様子が珍しく感じられました。

砂場の後、ふわふわドームの方に遊びに行ったのですが、娘が他の子に「一緒に遊ぼう」と必死に話しかけても誰も遊んでくれず、一人で悲しそうな様子でした。見かねて近づいて行くと、5歳の女の子が「一緒に遊ぼう」と言ってくれました。周囲の親と一緒に少し離れたベンチに座ろうと思っていたら、数人の子供達が近寄って来て、「見てみて!」とドームの上で高く飛び跳ねたり、寝転がって滑ったりして見せながら「私、4歳なの」、「姉ちゃんなんだよ」、「俺、5歳」など、話しかけてきました。

子供達は大人の関心を求めているんだろうなと思い、しばらく話し相手をしていました。でも本当は、知らない大人よりも親とコミュニケーションを取りたかったのだと思います。親達はベンチに座って、他の親と話し込んだり、スマホに目を落としたり、横目で見守っている程度でした。

砂場でのお母さん達の光景が思い浮かび、子供は友達とだけでなく、親とコミュニケーションを取りながら遊びたいんだなと思わされました。保育園や幼稚園に入園するようになれば一緒に過ごす時間が減り、週末でないと親子の時間をたっぷり取れなくなります。子供からすれば、普段友達や先生と遊んでいる分、親と一緒にいられる週末の時間を密に過ごしたいと思うのでしょう。親の愛情を際限なくたっぷり欲しい時期なので、一人でも、友達とでも、どんなに楽しそうに遊んでいても、「楽しい?」、「お友達できたの?」「良かったね」など声をかけて、時には一緒に遊ぶことも子供にとっては必要なことなんだと思います。子供が求める愛を与えられるよう、子供と共に親としてもっと成長していきたいものです。