新米ママのありのまま(28)local_offer新米ママ
フリーライター 岸元実春
子供の笑顔は、心のディスタンスを近づけてくれる愛の光
コロナウイルスが世界中に拡散して、既に半年以上が経過しました。マスク着用、手指消毒、換気、ソーシャルディスタンスなどの新しい生活様式が定着してきています。人々が集団となって共に生きている社会で、人との距離をとったり、密を避けたりすることを強要され、新しい生活様式という名のルールに縛られるようになり、窮屈さを感じさせられます。一方で、リモートやオンラインで画面越しの仕事や会話が推奨されるようになり、移動手段に使っていた時間が減ったり、家族との時間が増えたりと、時間の自由がきくようになりました。
新しい生活様式のおかげでソーシャルディスタンスはとれますが、心のソーシャルディスタンスも保ててしまうのは難点です。
保育園でも保護者会がなくなり、行事も全て中止となり、保護者同士で知り合うことができなくなりました。先生ともじっくり話す機会がなく、園生活が不透明で、子供に園の様子を聞くしかない状況です。
対面でのコミュニケーションの機会が減り、心の境界線が深く刻まれ、他人との間に頑丈な見えない壁も建設されてしまうのではと不安に駆られます。
そんな中、子供達はソーシャルディスタンスを気にすることなく、友達や先生と遊んで、心の糧を得ようとしています。純粋に愛を求める子供の欲求は、大人の心の境界線をいとも容易く越えていきます。
子供を連れて歩いていると、お年寄りの方が足を止めて声をかけて下さったり、感染対策に神経質な方が、子供には笑顔を向けて心のディスタンスを縮めてくれたりすることがあります。
特にまだ赤ちゃんの次女は愛の求め方が上手く、顔を合わせると笑顔になり、「私かわいいでしょ、かまって?」とアピールしてきます。赤ちゃんの純粋無垢な笑顔は、自然と頬が緩み、穏やかな気持ちにさせてくれます。大人がとうの昔においてきた純粋さや裏表のない率直さが、警戒心を緩めさせ、心の境界線をなくしてくれるのだと思います。
こんな時代だからこそ、家庭でしっかりコミュニケーションやスキンシップをとって、愛の欲求を満たしてあげたいものです。愛に満たされた子供の輝く笑顔は、愛の光となって大人達の心に浸透していきます。
冷たく乾いた大人達の心へ、愛の光を届けることができる子供は貴い宝物です。子供を守り、育てていく家庭の重要性を実感させられます。まだまだ新米ママですが、来年の一年間も我が子と色々な経験をして、一緒に成長していけたらと思います。