機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」春夏秋冬つれづれノート

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ジャーナリスト 堀本和博

食べ物の記念日が目白押しの食欲の夏7月に

山開き祭、七夕、朝顔市、祇園祭り、盂蘭盆会(うらぼんえ)、それにお中元などなど。夏も本番の暑さ(小暑=7日、大暑=22日)となる7月は昔から行事の多い、にぎやかな月である。加えて、今年は東京五輪・パラリンピックの夏となるはずだった。日本と世界が平和とスポーツの祭典に沸き立ち、熱狂に包まれるときであった。

それが中国・武漢からの新型コロナ禍によって祭典は1年後に延期。いつもの7月行事も多くが中止や規模を縮小しコロナ対策を施しての開催である。意気の上がらないこと甚だしである。

そこで、腹ごしらえだけはしっかり整えて、暑さに負けない体力をキープして次の機会まで満を持するのが肝要である。何年か前にも本欄で触れたが、なぜか7月は食べ物にまつわる記念日が多い月だ。

それを時系列でたどると、まず2日はうどんの日。本場の讃岐では農作業がひと段落する半夏(はんげ)のころに、手伝ってくれた人たちにうどんをふるまって労った。この習わしからうどんの日が生まれたのだが、関西では同じ日にたこを食べる地方もあり、たこの日ともなった。

サラダ記念日の6日はサラダを食べる日―、ではない。和歌ブームを作った俵万智さんの同名歌集にちなむ一首「この味 がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日」からである。納豆の日の10日は語呂合わせで分かりやすい。月と日の7(なな)と10(とお)から「なっとう」の日というわけだ。業界がこの日に納豆好きの女優などを「納豆クイーン」に選びPRに務めるが、今やその必要もないほどの健康人気。コロナ禍で、スーパーの棚をカラにすることもしばしばである。

さて本命はここから。「夏バテ防止三大食べ物の日」のうち2つが7月にある。一つは土用丑(うし)の日で、今年は21日。暑い夏の盛りに精のつくウナギを食べ夏バテ防止をする。もうひとつも大暑の日にてんぷらを食べて元気に過ごそうと制定されたてんぷらの日で、今年は22日。この日はもともとあったナッツの日と重なるが、こちらは7(ナ)と22(ツツ) の語呂合わせ。そして、すいかの日が27日に控える。旬が7月なのと、外皮の緑と黒の模様を綱に見立て「2=つ」と「7=な」の少し苦しい語呂合わせである。

食べ物の記念日が目白押しの、食欲の秋のお株を奪う食欲の夏7月なのだ。