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ジャーナリスト 堀本和博
日本は安心と活力ある超高齢先進社会モデルを築けるはず
〈みんなで築こう 安心と活力ある健康長寿社会〉
今月21日(毎年9月の第3月曜日)は敬老の日(祝日)で、「老人の日」の15日から21日までの1週間が「老人週間」となる。冒頭は、そのキャンペーン標語で、人生100年時代も視野に入ってきたいま、誰もが健康で安心して、生きがいのある生活を送れる健康長寿社会を築いていこう、と内閣府などが呼び掛けている。
いま高齢者とされる65歳以上の人口は、前年より32万人増え過去最多の3588万人(昨年9月現在)と推計されている。総人口に占める割合も28.4%と、これまた過去最高を更新。5年後の2025年には総人口の3割を占めると予測されている。
また7月末に発表された日本人の平均寿命(2019年)は男性81.41歳、女性87.45 歳。前年からの伸びは男性が0.16歳、女性が0.13歳で、それぞれ男性は8年、女性は7年連続の過去最高の更新となった。
これを国際的に国・地域と比較すると、日本は男性がトップの香港(82.34歳)、スイスに続く3位。女性は香港(88.13 歳)に次ぐ2位(3位はスペイン)で、どちらも前年と同じ順位を維持した。これらは日本の資産だと考えたい。
また、100歳以上の人口は昨年、初めて7万人を超えた(7万1238人)。まさに「人生100年」時代、超高齢化社会がやってこようとしている。織田信長が「人間50年、下天のうちにくらぶれば」と謡いつつ果ててから終戦直後まで、日本人は長い間、人生50年の感覚で生きてきた。それが10年ほど前には人生80年時代が言われ、それにふさわしい人生モデルが模索された。医師で作家の久坂部羊(くさかべよう)氏は、そのヒントに「死」に対するポジティブな評価を挙げた。「(死について)人生を充実させて『やるだけのことをやった』と思えれば、いざというとき、あたふたしなくて済みます。方丈記や徒然草の時代から脈々と続く、達観の考え方です」(読売「こころ」 平成22年8月26日夕刊)と語った。「死」が評価できるなら、高齢化はなおさらだ。
日本は高齢者が住みよい国順位(2015年データ)で世界8位(アジアで唯一)だ。超高齢化社会については後ろ向きの議論が少なくないが、寿命や健康寿命の延びを背景に高齢者活用のさまざまな新しい動きに期待をしたい。安心と活力ある超高齢先進社会モデルを築けるはずである。