機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」人生を豊かにする金言名句(1)

人生を豊かにする金言名句(1)local_offer

ジャーナリスト 岩田 均

「『絶対』はあります」と言い切る上野由岐子選手のすごさ

わが家に毎朝配達される新聞の第1面を「金」の大文字が飾っています。この原稿を書いている時、東京オリンピック2020は大いに盛り上がっていました。日本選手がこんなにも活躍するとは予想していませんでしたから、びっくりするやら嬉しいやら。応援する選手が頑張る姿から勇気をもらうのを感じさせてもらいました。

代表選手は、試合の日程に合わせて、気力、体力その他全てを調整して、ピークが来るようにしています。”明日大会があるから、今夜は先に寝るね”みたいな軽い感覚ではないわけです。何カ月も前から調整を始め、その間はずっと非日常が続くのだろうと考えると、選手それぞれに大変な努力があると想像できます。

今回のオリンピックで、見事金メダルを獲得した競技の一つに、ソフトボールがあります。そのエースは、言わずと知れた上野由岐子選手。いくつものテレビ局から取材を受けていますが、その一つに出演した時、こんなことを語っていました。「『絶対』はあります」と。一瞬、何のことだ?と思いました。もちろん、ソフトボールという競技の中で悟った境地でした。別のマスコミでは「ここにその軌道通りに投げたら絶対に打たれないという線みたいなものが見えた」(スポーツ報知7月28日付)とも。心眼ということでしょうか。

前出のテレビ番組では、上野選手は念を押すように「ふつうなら『絶対なんてないですよね』と言いますが、『絶対』はあるんです」と。気負っているわけでもなく、穏やかな声でインタビューに答えていました。簡単に言える言葉ではありません。聞いていて感動を覚えました。

そんな選手でも、完璧なプレーを毎回できるかと言えば、そうではありません。上野選手も、けがに苦しんだ時期があり、選手を続けるかどうかで悩んだ時期もあったそうです。「(北京五輪で優勝の)13年前と同じパフォーマンスはできないかもしれない。けれど、違った自分を表現していけたらいい」(世界日報7月28日付)。この「違った自分を表現して」は、真似をしてみたい考え方です。

オリンピック開催に反対する人はいます。また、コロナウイルス感染は終息への出口がまだ見えていません。それでもオリンピックを開催することができて良かったと思います。観戦している側もたくさんの刺激を受けることができましたから。