機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」人生を豊かにする金言名句(5)

人生を豊かにする金言名句(5)local_offer

ジャーナリスト 岩田 均

「一生懸命」を実践する大谷翔平選手

野球で、ランナーの本塁突入はキャッチャーとのクロスプレーになることがあり、その瞬間は刺激的で、時に劇的な展開となります。大リーグで活躍する大谷翔平選手は、何の迷いも感じさせない勢いで滑り込みます。ある時はそのまま反転、仰向けに。「セーフ」のコールを聞いて、満面の笑顔。まるで幼い子供が喜んでいるようでした。

身長193センチ、体重95キロ。ピッチャーとバッターの両方をこなすという「二刀流」を成し遂げた怪物選手。とはいえ、ホームベースめがけて全力疾走で飛び込むなんて、合理主義の米国ではピッチャーのケガを恐れて”危険プレー”と言われるでしょう。ですが、大谷選手は「一生懸命」やっただけと言うに違いありません。


この「一生懸命主義」はNHKスペシャルでも紹介されました(10月放映の番組「メジャーリーガー 大谷翔平」)。野球をやる上で、父親徹さんが繰り返し伝えてきたことは三つ。「一生懸命元気に声を出す」「一生懸命キャッチボールをする」「一生懸命走る」。そして、徹さんはこう説明します。「プレーの内容よりも、野球に対する姿勢を大切にした」「ごくごく誰でもできることを中心に、その三つのことをきちっと練習しようよって」。


2021年は、東京オリンピック・パラリンピック2020の開催も実現し、たくさんの日本人アスリートが活躍しました。1年の締めくくりに、大谷選手の偉業の報が届きました。21年ア・リーグ最優秀選手(MVP)に選出されたのです。全米野球記者協会の会員30人による投票で決まったのですが、全員から1位票を得ました。他に投票する選手がいないという判断ですから大変なことです


大谷選手は「満票で取れたのは本当にすごくうれしい。選手としてピークを迎えるここから5~7年は、勝負の年だと思うのでもっと頑張りたい」(世界日報11月20日付)と喜びを語りました。国民栄誉賞に該当する実績です。政府から打診があったそうですが、「まだ早いので、今回は辞退したい」と大谷選手。彼がさらなる高みを目指す「一生懸命」の姿勢に感心します。