新米ママのありのまま(19)local_offer新米ママ
フリーライター 岸元実春
一番の友達は、大好きなじいじ
今月で3歳になる娘は七五三のお祝いも兼ねて、特別なひなまつりを迎えます。何でも自分でしたい時期は継続しつつ、最近はより一層甘えん坊になる時が増えてきました。「ママのお腹に赤ちゃんがいるの」、「お姉ちゃんになる!」と言うものの、ママが抱っこをしてくれなくなり、お腹が大きくなってきて大変なことが分かっているのか、じいじとパパにやたらと抱っこをせがみます。一度抱っこされるとコアラのようにしがみついて離れようとしません。
おしゃぶりを卒業できたからか、歯がムズムズするのを堪え切れず、抱っこされている時に肩や腕、顔などを噛んだり、ひっかいたりするので、じいじとパパは毎日傷だらけ。「痛い!」と言いながらも嬉しそうな笑みを浮かべているので、目に入れても痛くないんだろうなとこちらも笑顔になってしまいます。
娘は誰から見ても分かるほどのおじいちゃん子。夕飯後はべったりくっついて離れず、一緒に遊んだり、テレビを見たり。お風呂に入れようと呼びに行くのですが、「じいじといる!」と頑として動かない時もあり、じいじに風呂場まで連れて来てもらい、離れるのを嫌がるところをなんとかおもちゃで釣ってお風呂に入れています。
何よりもじいじと引き離すのが大変なのが、寝る前の時間。寝る時間になったからといってじいじが部屋に連れて来てくれるのですが、満足いくまでじいじと一緒にいられなかった時はしがみついて離れません。強引に引き離すと大泣きして暴れ、じいじの後を追って部屋を出て行く始末。同じ家に住んでいるのに別れを惜しんで泣く孫の姿が愛らしいようで、泣きながら腕に飛び込んでくる娘を満面の笑みで抱きかかえます。
娘にとってじいじは、愛してくれる人であり、家族の中で最も甘えられる人であり、最も大好きな友達なのかもしれません。我が子以上に可愛いのが孫だとよく言います。親には養育や教育の責任がありますが、祖父母の主な責任は可愛がること。それに孫は、手塩にかけて育てた我が子の子供ということもあり、自分達の努力の結実体として可愛さが増すのではないかと思っていました。娘を可愛がる祖父母を見て、それだけではなく、孫と祖父母は親以上に心の距離を近づけやすいんだろうなと思うようになりました。年齢を重ねるとこれまで培ってきた人を愛する心が、孫の存在を通して素直に表に出てきて幼心に寄り添いやすくなり、一番の友達になれるのでしょう。
親だけでは不十分な愛を祖父母から受け取っている娘の楽しそうな笑顔を見ていると、同居できて良かったと思います。毎日可愛がってくれる祖父母には、心から感謝しています。これからも生傷は絶えないかもしれませんが、それ以上に幸せな笑顔が絶えない家庭でありたいものです。