機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」春夏秋冬つれづれノート

春夏秋冬つれづれノートlocal_offer

ジャーナリスト 堀本和博

いまや令和最大の課題は平成時代から続く温暖化効果ガス抑制が急務であること

はや1年の締めくくりの月を迎える。慌ただしさが増し寒さも厳しくなり冬を実感する中で、令和最初の師走である。今年をふり返ると、日本ではいいことも悪いことも10月にすべてが集中しているようで不思議な気持ちになる。

まず天皇陛下の「即位礼正殿の儀」が22日午後、皇居・宮殿「松の間」で厳かに行われたことである。皇族、三権の長や各界代表、外国元首ら191カ国・機関などの代表などが参列し、陛下が高御座(たかみくら)に立ち、即位を宣明された。その折に合わせるように一時(いっとき)朝からの風雨が収まり、明るい日差しが射しかけたことも、令和のこれからに希望の予兆を感じさせた。

天皇陛下はお言葉の中で、平成時の上皇陛下の御心とお姿に心して「国民の幸せと世界の平和を常に願い、国民に寄り添いながら、憲法にのっとり」象徴の務めを果たすことを誓われた。また「我が国が一層の発展を遂げ、国際社会の友好と平和、人類の福祉と繁栄に寄与すること」への強い希望を述べられた。

陛下は5月に即位され、令和の時代も始まっており、御即位を祝うパレードは台風19号の甚大な被害を考慮して11月10日に延期して行われたが、すべては即位礼の日に集約されるのである。

先々月号で触れたノーベル生理・医学賞の連続受賞の期待は外れたが、代わって化学賞にリチウムイオン電池開発の旭化成名誉フェロー・吉野彰氏が輝いた。日本の科学3賞候補はまだ他にも多数控えていて、来年にも期待は膨らむのである。

日本中を熱狂に沸かせたラグビー・ワールドカップ(W杯)日本開催の大成功と、アジアで初のベスト8入りを果たした日本代表の大活躍も忘れがたい鮮烈な印象を残した。

一方で、昨年の西日本豪雨に続き、今年は9月に千葉県を襲った台風15号に続き10月中旬からの台風19、21号など相次ぎ上陸した台風やそれに関連する大雨で長野、茨城、福島、宮城県など東日本各地は浸水、河川氾濫、堤防決壊などで甚大な被害を被った。

背景に地球環境(気候変動)問題が横たわっている。地球温暖化による海水温度の上昇で、台風が大型化し被害を拡大していることは明らかで、地球規模での温室効果ガス抑制が急務である。平成時代から続く、令和最大の課題として行動が求められている。