機関誌「真の家庭」publication

APTF 公式サイト機関誌「真の家庭」春夏秋冬つれづれノート

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ジャーナリスト 堀本和博

未来を祝福する新元号「令和」で初めて迎える新年・新春

明けましておめでとうございます。年越しそばをいただき、荘厳に響きわたる108の鐘の音に煩悩が消し取られ、真っ白な気持ちで迎える新年、新春。令和2年となる新年は天皇陛下御即位とともに行われた改元で、新しい元号となって初めて迎える新年・正月である。

一昨年は日本が江戸時代に幕を引き、近代化へ向け体制を一新してスタートした明治維新(1868年)から150年となる区切りの年であった。この間に天皇の御代と合わせて元号は明治、大正、昭和、平成と変わってきたが、時代はほぼ30年ごとの区切りで概観することができる。

そして、時々の陛下はいつも国の平和と豊穣(ほうじょう)、国民の安寧を祈ってこられた。短かった大正を明治に含めると、明治の前半30年は帝国憲法の制定、議会の開設、不平等だった欧米との条約改正などを行い、国家としての骨格を整えた。そして、後半の30年で産業・経済を発展させるなどして西欧を追い、先進国の一角に地位を占めるまでになったのである。

昭和は前半30年が敗戦の躓きで、国土や産業が灰塵に帰した。その荒廃から懸命に立ち上がり復興への足掛かりをつかむ。後半は昭和39(1964)年東京五輪とその後の大阪万博の成功と、この間の高度経済成長で大きな発展を遂げてきた。

平成の30年間は自然災害による甚大な被害に泣いた。阪神淡路や東日本大震災と津波による福島原発事故、一昨年の西日本豪雨、昨年の台風豪雨による千葉・東日本各県などの被害である。その立ち直り途上で迎えたのが平成後半に相当する令和の時代である。いよいよ今年は、2020東京五輪・パラリンピックの年であり、その先に令和7(2025)年大阪万博を見据える。これらを成功させるとともに、現代の課題である少子高齢化問題の克服をはかっていく。今年は日本と世界の未来を切り拓いていくスタート年といってもいいのである。

周知のように新元号「令和」は、日本最初(だから最古)の歌集「万葉集」にちなんだものである。その万葉集は、天皇の御代を祝福する大伴家持の次の歌(巻二十の四五一六)で締めくくっている。

〈新しき 年の初めの 初春の 今日降る雪の いやしけ吉事(よごと)〉