チョッとためになる健康のお話(31)local_offer健康
健康アドバイザー 上杉和彦
子育てにお勧めの「二分割睡眠法」
今年は梅雨が短く、すぐ夏が来ました。一昨年の夏も雨が降らずに猛暑が続いて、一等米が減り、米の価格がどんどん上昇。私は玄米を炊いて食べているのですが、普通の玄米が店先から消えてしまいました。それで、米を作っている兄にお願いして、玄米を送ってもらったのですが、今年は親戚や家族から頼まれることが多くなり、自分たちが食べる分もなくなってきたと言って、もう送ってくれなくなりました。肥料や農薬、輸送費など、あらゆるものが値上がりする中、農家も利益を得るためには売値を上げなくては生きていけません。農業は国の基ですから、消費者目線という短期的な施策をするのではなく、国民の生命を守る長期的な施策を打ち出してほしいと思います。
私たちの健康は食事と運動と休養によって保たれています。何を食べ、どこを鍛えるかを強調することは多いのですが、どのように眠るかというのはあまり気にかけていません。長時間睡眠が良さそうだということは、大谷選手の活躍で知られるようになりましたが、企業でも「Google」のように、昼寝(ナップ)を推奨しているところが増えています。社員が自由に仮眠を取れるようソファーやハンモック、カプセル型でぐっすりと眠れる「昼寝ポッド」まで準備しているところもあります。
熊本県のある中学校では、昼食後に全校で10分間の昼寝「ウトウトタイム」を導入するようになってから、「授業中の集中力が上がった」などの声が数多く聞かれるようになりました。ある生徒は「塾など学校の外でも眠気を感じたら、休憩中に短時間の仮眠を取るようにしている」と言っていて、仮眠が脳の疲れを取るのに有効であることを感じています。
小学生の頃、母と一緒に畑に行って農作業をしました。弁当を食べた後に、必ず母は昼寝をしていました。朝早くから働いていたので、食後に眠気が来るのだと思いますが、きっと脳の疲れを取ることで、気分良く午後の仕事にとりかかれたのだと思います。
子供たちの就寝時間が年々遅くなっています。スマホなどのゲームに熱中して遅くなるということもありますが、親がテレビやYouTubeに夢中になってしまい、その結果、子供の就寝時間が遅くなることもあるようです。学校の調査でも「親の睡眠の質が高いと子供も高く、親が早寝早起きだと子供も早寝早起きになる」という結果が出ています。睡眠時間が短いと子供は切れやすくなり、自己肯定感も低くなります。逆に睡眠時間が長くなり、10時間ぐらいになると成績も良くなるそうです。
そこでお勧めの睡眠方法が「二分割睡眠法」です。幼児や小学校低学年までは、親が子供のために本や絵本の読み聞かせをして、そのまま一緒に寝てしまうことがあります。そんな時は、タイマーをセットして3時間ぐらいで起き、みんなが寝静まった夜中に、日中やり残した家事や仕事を片づけたり、趣味の時間に使います。その後、2回目の睡眠を3時間取ります。こうすると、母親との愛着が強まり、子供の情緒が豊かになります。母親は集中的に質の高い睡眠が取れるので、朝から気分良くスタートでき、夫や仕事関係のコミュニケーションも良くなります。睡眠の工夫をしてみてはいかがでしょうか。