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家庭問題トータルカウンセラー 松本 雄司
青年を見れば、国の将来が視える
マラソン走者の壮絶な半生
2025年8月30~31日。奇しくも同じ時期に行われた二つの大きな行事を通して、私は久しぶりに心の底から湧いてくる感動と希望を感じることができました。
その一つは、24時間テレビで放映されたさまざまなボランティア活動と、困難な目標への挑戦の姿です。特に、逆境にある子供たちを支援するため、猛暑の中105kmを完走した「スーパーエイト」のメンバー横山裕(よこやまゆう)君の姿に大きな感銘を受けました。
彼が告白した半生は壮絶です。3歳の時、両親が離婚。5歳で母親が再婚して二人の異父弟ができます。母は苦労をして彼と弟たちを育てました。彼は母と弟たちのために中学を出てからすぐに建設会社に入り、工事現場で働きながら芸能活動を続けたのです。
そして2004年、23歳の時、ついに全国デビューを果たします。「これでオカンに楽をさせられる」と思ったつかの間、母親はがんになり、闘病中に二度目の離婚となって弟たちは施設に預けられました。その後、施設を出た弟たちと母親に経済的な支援をしていましたが、2010年、29歳の時、青森でのソロライブの公演中、一本の電話が入ります。それは、母親が息を引き取ったという知らせでした……
胸を打たれた横山裕君の姿
今年、44歳になった彼は、24時間テレビの「子供支援マラソン」を引き受けます。児童施設や母子家庭、子供食堂などの支援金を募るチャリティーマラソンです。
35度を超える猛暑の中を、素人が105kmも走るのは無謀で命にかかわります。
彼の走る姿を全国の人たちが見ていました。最後のほうは見ている方もつらくなりました。
全身が痛みにさいなまれ、意識もうろうとなった極限の中で、命がけで自分たちを愛してくれた母のために走り、全国の逆境の中にある子供たちのために走る…そんな思いがひたひたと伝わってきました。
多くの市民が沿道に出て、「頑張って!」と心からの声援を送り、横山君は、最後まで走り抜いて、生きてゴールを果たします。全国からも予想以上の支援金が寄せられました。彼の心優しさと不屈の精神には脱帽するほかありません。
テレビ局には、命の危険のあるマラソンをさせるべきではないという抗議の声も相次いだそうです。それには一理あり、今後、やり方は検討してほしいと思います。
しかし、私はこのような青年がいること、そして、それに続こうとする青年たちがいることに驚きを感じると共に、”日本の将来には希望がある!”と感じました。
解散問題の背景
もう一つ、私が感銘したものがあります。それは、「信教の自由のための10時間生配信ラリー」と、その翌日の「二世による1万名讃美礼拝」という全国オンラインイベントでした。
この行事は、世界平和統一家庭連合の宗教法人解散という危機に立ち上がった青年信徒たちによって開催されたものです。
安倍元首相の銃撃事件以降、非難の矛先が、マスコミの扇動で一つの宗教団体への攻撃にすり替えられたことに違和感を覚えた人も多いことでしょう。
この流れの背景を詳しく調査したノンフィクション作家・福田ますみ氏によれば、問題の根底に、日本の共産化を図る左翼勢力と反共自由主義者の確執があるようです。
左派系の政党・弁護士団体・マスコミが結託して、その宗教団体に”反日””反社会的””カルト”といった汚名を着せて世論を扇動し、政権与党に関係断絶や「宗教法人を解散させよ!」と迫ったのです。
このような報道や世論の動きに押された当時の首相が、解散命令の要件に関する法解釈を一夜にして変更し、文部科学省に解散命令請求を出させたというのです。冷静に考えると、刑事事件で有罪判決が一度もない宗教法人に対して、民法上の不法行為を根拠に解散命令を出すことは、いきなり死刑宣告をするに等しく、あってはならないことだと思います。
この事実を知った国内の良識ある法学者・宗教者・言論人、さらには国連人権委員会と欧米の宗教学者・法律家らは、”このような解散命令は国際法に違反し、民主主義の根幹である信教の自由を踏みにじる不当な弾圧である”と警告を発しています。
もう一つの日本の希望
こうした受難の渦中で、二世・青年たちが立ち上がります。
ラリーの内容は、全国各地での青年の演説やシンポジウム。神を讃美する歌と音楽。各国の青年からのメッセージ。国内と欧米諸国の法律家や宗教者からの支援の声。アメリカ政府・信仰局長のポーラ・ホワイト女史の激励と連帯のことば…等々でした。
「家庭連合は解散すべきような団体ではありません。真の姿を知ってください!」
「自分の信仰は自分で選んだ道です。私たちは両親を尊敬し感謝しています!」
「私たちは日本の将来と世界の平和実現のために活動をしたいのです!」
彼らは礼儀正しく、純粋で率直であり、冷静だが熱意に溢れていて、時には涙を浮かべながら語る彼らの言葉は誠実そのものであり、聴く者の心に響くものでした。
私は正直なところ、”彼らこそ真の愛国者ではないか!”と感じたのです。
かつて、ドイツの鉄血宰相ビスマルクはこう言いました。
「われに青年を見せよ! さらば、その国の未来を予言せん!」
”日本にはまだこんなに純粋な心情と熱意と世界的視野を持った青年たちがいる!”
”日本の未来には希望がある!”…心からそう感じたのです。