人生を豊かにする金言名句(47)local_offer金言名句
ジャーナリスト 岩田 均
まさかの友は真の友
”A friend in need is a friend indeed .”
英語の教科書で覚えた記憶があります。日本語でこういう言い方があるかどうか探してみましたが、辞書・辞典に載っていませんでした。近い意味では、「無二の親友」が思い浮かびます。あとは「心の友」。心友(しんゆう)と言い、「互いに心をうちあけ、心から信じあっている友」(学研『現代新国語辞典改訂第六版』)を指します。また、知友(ちゆう)といえば「互いに心の底まで深く知りあった友」(同)となります。こういう友を持ちたいものです。
私事ですが、一人暮らしの息子がいます。最近、胃腸を壊しました。大の大人ですが、親としては心配します。それで、スポーツドリンクや消化に良さそうなものを買って届けてきました。そんな時、ふと”息子に親友はいるのかな”と思いました。私が中学だか高校の時に書いた作文は、「人生で友は絶対に必要だ」というようなタイトルでした。当時の文集に載ったはずです。
私が入社した時のこと。同期の一人と意気投合し、以後、親友として交流しました。そのうち、彼がアメリカに赴任することが決まり、私はかなりの”喪失感”に襲われました。そこでとった行動は、自分でも驚きましたが、別の同僚の一人に手紙を書いたことでした。「友として交流をしてほしい」と。切羽詰まっていたのでしょう。相手は特に反応してくれませんでしたが、自分としては「拒否」されなかったので、それだけでも気持ちが落ち着いたものです。
体調を崩した時など、一人の生活だと対応が大変です。食事、買い出し、洗濯など。場合によっては消毒も。私は幼いころから胃腸が弱かったので、急性胃腸炎などになると、ただただ疼痛と苦しさに耐えるだけ。大概、食欲もありませんから、水分補給をしながら、ふとんで横になって…。「時薬(ときぐすり)」が頼りです。
現代ならメール送信ができそうです。温かい言葉掛けとか差し入れとか、あったら嬉しいものです。”社会人がそんな甘いことを考えるな”。そう言われるかもしれませんが、「真の友」はいた方がいいですね。