愛の知恵袋 202local_offer愛の知恵袋
家庭問題トータルカウンセラー 松本 雄司
猛暑対策と見守りロボ君
世界的な混乱と年々激化する気象異変
この十数年、世界中の至るところで民族紛争や侵略戦争が起き、それに伴う難民流入によって各国で混乱と対立が生じています。また、世界的物価高騰が国々を直撃し、私たちの日常生活にも深刻な影響を及ぼしています。
一方、あたかもそれらに警鐘を鳴らすかのように深刻化しているのが、地球の環境問題です。急激な温暖化で海水温が上昇し、異常気象が日本はもちろん、世界中を襲っています。毎年、記録更新で暑さはひどくなるばかりです。
異常乾燥で広大な山火事が発生したり、干ばつで穀物や野菜が壊滅するかと思えば、別の地域では集中豪雨が頻発して想定外の大洪水が起きたりしています。
特に、今年の夏は異常です。異例の早い梅雨明けで、6月末から真夏日になり、7月以後は大分市でも気温が毎日35度前後、盆地の日田市では40度になっています。
身近でも起きている異変
異変は身近でも感じます。わが家のベランダにある鉢植えのイチジクの木は、毎年おいしい実をつけていました。今年は葉もよく育ち、25個の実をつけたので熟れるのを楽しみにしていましたが、7月になると高温のためか、熟す前に実の表面がしなびて固くなり、次々と落果しています。
また、アサガオは毎日水をやっているのに、日射が強すぎて昼間は葉がぐったりとしおれてしまい、朝方咲いた花も昼前にはしなびて見る影もありません。
さらに、孫たちがベランダで飼っていたメダカも災難に遭いました。7月に入ると毎朝、数匹が死んでいて、どんどん減っていくのです。大人のメダカから順に倒れていき、わずか一週間で5分の1にまで減ってしまいました。緊急避難で室内の水槽に移して、今は二世青年のメダカが7匹だけ生き残っています。
テレビ報道では、夏の異常気象で各地の貯水池が枯渇し、水稲の成育不良や野菜の日焼け被害が多発し、牛や豚も酷暑で体調を崩してしまい、農家や畜産業の方々は非常に困っているようです。
人にも厳しい夏の異常気象
動物や植物にこれだけの被害を及ぼしている異常気象ですが、私たち人間にも影響しないはずがありません。
今は外を少し歩くだけで汗が出ますが、この猛暑の中では、屋外での作業に従事する方は大変だと思います。熱中症のリスクが非常に高まっており、私の身近なところでも体調不良になる人が多く見られました。特に、高齢者には辛い毎日です。
今、私が書いているこの記事が皆様のもとに届くのは9月初めなので残暑の頃でしょうが、酷暑の夏に受けたダメージが体内に蓄積し、心身に影響が出てくる時期でもあるので、くれぐれも、体調管理には気を付けてお過ごしください。
じいちゃんの見守りグッズ
そんな夏に私を一人にするのを心配したのか、娘が何か仕掛けをしていきました。
私はコロナ禍以来、娘や孫たちと一緒に暮らしていますが、年に一度は一人暮らしになります。理由は、娘の夫がずっと外国で単身生活をしているので、毎年、夏休み期間は子供たちを連れてパパのところに行って一緒に暮らすからです。
彼らが出発する前日、小包が届きました。娘が何やら白い置物を取り出して、「お父さん、これを居間の机の上に置いておくからね」と言うのです。
「何だい? それは」と訊くと、「見守り用監視カメラ!」と言います。
高さ11㎝のダルマのような形をしたロボットで、頭の部分に丸いレンズが付いていて、ジーッ、ジーッと上下左右に動きます。
”無線LANセキュリティカメラ”といってスマホで遠隔操作ができるらしく、カメラが映したものを外国からでもスマホで見ることができ、また、スマホで話しかけると、ロボ君から音声が聞こえるようになっているらしいのです。
次の日、娘たちを車で空港まで見送って、今年の私の一人暮らしが始まりました。
その翌日の朝、何か声がします。「おじいちゃん、おじいちゃん!…まだいないね…」
私が寝室から居間に顔を出すと、「アッ、出てきた! おじいちゃん、おはよう! 元気~?」と娘と孫が声をかけてきます。私が椅子に座って、ロボ君に向かってジェスチャーで返事。しばらくやり取りをして、「じゃあ、元気でね~」と言って切れます。生きていることが確認できたので、ひとまず安心…ということなのでしょう。
以来、ほぼ毎日、私が朝食をとりそうな時間に声がかかります。
なるほど、これはなかなか便利なものです。孫たちは面白がって、一日に何度か操作して、「いないね~」「あ、いたいた」とか、私の様子を観察しているらしいです。
”愛の見守りロボ君”。これなら監視される生活も悪くありません。有難いことですね。